オリーブオイルの良さを伝える情報が増え、
オリーブオイル関連商品も
市場に増えていくにつれて、
「オリーブオイルは何となくいいもの」
という認識が拡がりつつあります。
オリーブオイルの特徴や良さを知って、
日常生活にご活用ください。
田村 啓敏
香川大学農学部 応用生物科学科
教授 農学博士
オリーブオイルに含まれる成分には、色々な働きがあります。
油は、カロリーが高い、太るんじゃないか…など、控えたいと思う人も多いと思います。
しかし、油を摂らないと肌荒れや便秘になりやすいと言われていますし、脂溶性のビタミンA、D、E、Kは油と一緒に摂取することで効率よく吸収できます。摂取する油の質を選ぶことがとても大切なのです。
オリーブオイルは、主にオレイン酸でできており、健康や美容に良いポリフェノールやビタミンEやβカロテンを含んでいます。
●ポリフェノール | 強い抗酸化性により、活性酸素を消去。悪玉コレステロールの酸化防止(動脈硬化防止)。抗菌性。 |
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●オレイン酸 | HDLコレステロール保ち、LDLコレステロールを下げる。高い加熱安定性を持つため、劣化しにくい。 |
●ビタミンE | 抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける。 |
オリーブオイルのパワー
香川県産オリーブオイルを1日30ml、4週間摂取することにより、認知的作業の正確性が維持され、酸化能が高まり、中性脂肪が減少しました(同様にサラダオイルを摂取した場合と比較)。
研究結果
「平成28年度県産農産物機能性等活用ブランド強化事業」(香川県・国立研究開発法人理化学研究所)
オリーブオイルは、他のオイルと何が違う?
食用油の多くは種から採るのに対し、オリーブオイルは果実から採るのが大きな特徴。
化学的な工程を経ることもないので、果実由来の色、香り、味を楽しむことができ、健康な体づくりをサポートする成分を取り入れることができます。
エキストラバージンオリーブオイルは、食べたことがある人なら、独特の苦味、辛味、香辛料のような風味があることもご存知ですよね。
この苦味成分は、オリーブ独特のポリフェノール類によるものです。このポリフェノールは複数の成分からなっていますが、風邪薬にある炎症抑制剤であるイブプロフェンと同程度の効果を持つと言われています。
アレルギー防止作用や美白効果の高い成分もあり、機能性成分の宝庫です。
機能性の良さが分かれば、ますます香川県産オリーブオイルが好きになるでしょう。
Oleocanthal:Beauchamp, G. K.; Keats, R. S. J.; Morel,
D.; Lin, J.; Pika, J.; Han, Q.; Lee, C.; Smith, A. B.; Breslin,
P. A. S. Ibuprofen-like activity in extra-virgin olive oil.
Nature 2005, 437, 45-46. 等